未来の音を聴く:「音楽的な耳」を育てるウィレムスの教育

「未来の音」=「これから鳴る(鳴らす)音」を頭の中でイメージしておくことの大切さを説き、そうできる耳を育むメソッドを開発したエドガー・ウィレムス(1890-1978)についての本。ウィレムスを紹介する本は日本では初めてです。しかし、ジャック=ダルクローズらと並び、オルタナティブな音楽教育として欧米では一定の評価があります。

子どもたちにとって一番すばらしい音楽の教育ってなんでしょう?──音楽を愛する時間をもつこと。頭の中で音楽を鳴り響かせ、正確にイメージできる「音楽的な耳」を育むこと。ヨーロッパでは有名なウィレムスの音楽教育は、ユニークで魅力的です。そんなウィレムスを日本で初めて紹介します。

まずテクニックを求める「楽器ありき」の教育ではなく、音をこまやかに聴き分け、頭のなかで音楽をイメージすることさえできる「音楽ありき」の教育を紹介します。レッスンの現場レポートから、ウィレムスの生涯、全著作や思想の紹介まで、総合的な内容をコンパクトに収録。音楽を愛せる子供を育てたい親御さんや音楽教育の現場にいる先生方におすすめしたい一冊です。

目次

まえがき

第1章 自然と音楽が好きになる、ウィレムスの音楽教育
1. ウィレムスってどんな人?
2. 「音楽を愛することを学ぶ」ウィレムスの教育
3. 母国語を話すように音楽を学んでいく
4. 「楽器ありき」から「音楽ありき」に!「音楽的な耳」の大切さ
5. 音楽体験をより豊かにする「内的聴感」とは?――「未来の音を聴く」ために

第2章 子どもの心をつかみ、「音楽的な耳」を育てるレッスン
1. ウィレムス国際会議とウィレムス国際セミナーに参加して
2. 「音楽的な耳」を育てる実践
3. リズム感の育成
4. 歌
5. 感覚から理論へ
6. 楽器演奏の準備
7. フォルマシオン・ミュジカル
8. リズム聴音
9. 旋律聴音
10. 未来の音を聴くために――内的聴感の育成に向けた実践

第3章 ウィレムスの生涯と時代背景
1. ウィレムスの生涯
2. ウィレムスの音楽教育の展開
3. ウィレムスが生きた時代の背景

第4章 ウィレムスの著作と思想
1. ウィレムスの著作について
2. ウィレムスの思想について

第5章「4つの段階」による実践と『教育の覚え書き帳』
1. 子どもの年齢に応じた「4 つの段階」による実践
2. ウィレムスの考えと現在の実践
3.『教育の覚え書き帳』全 17 冊
4.まとめ

あとがき

著者プロフィール
若林一惠 (わかばやし かづえ) 国立音楽大学音楽学部卒業後、東京藝術大学大 学院音楽研究科修士課程ソルフェージュ研究分野修了。同大学院音楽研究科博士後期課程音楽 教育研究分野修了。博士論文「エドガー・ウィレムスの音楽教育の意義:その思想および実践の 考察を通して」によって博士号取得。博士(学術)。東京藝術大学大学院アカンサス音楽賞受賞。国際ウィレムス連盟(FIW)、日本音楽教育学会、日本ダルクローズ音楽教育学会、日本ソルフェージュ研究協議会、各正会員。

ISBN 978-4-909818-00-3
A5判 124頁
定価 2000円(税別)
2018年11月3日

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